2021年04月30日

 そして 忘れじの人々 

<そして 忘れじの・・・>  

                        K.Kobayashi

福岡市天神一丁目ビジネス街。ビルの谷間に 「福神街」と呼ばれた横丁。
中ほどに多くの常連客で賑わう 「マルヒラ」という角打ち酒場あった。
 ある冬の夜、いつものようにビルの角を曲がって行くと、シャッターが無情の風に泣いていた。
 閉店 あれから13年余り・・・・・、
横丁は天神ビッグバン工事で取り壊された。人情と情緒の舞台跡は一夜で消えた。
コの字型カゥンターは角打ち客が演じる舞台でもあった。
 ある時は主役、ある時は脇役、時に敵役、観客にもなり、つかの間のを楽しんでいた。

「♪赤い夕日よー 燃え落ちて 海を流れて どこへ行く♪・・・」と、小林旭になりきって上機嫌で
歌うは 新庄英敏さん。元プロ野球のスター新庄剛志君の親父さんだ。
 「♪あの娘を ペットに したくって ♪ニッサンするのは パッカード・・ ・・・・
   ♪・・・・・・・・・♪ ここらで止めても いいコロナ)♪
 「よいお年をお迎えください!」というのが、店を出るときの彼の決め台詞だった。
 70歳を過ぎたばかりの若さで川を渡られた。今年八月が十周忌となる。

ハーモニカ名人のMちゃんと、ぶっつけ本番で「ベサメ・ムーチョ」を合奏した。
 「あんたのギターは、後半どんどんリズムが速くなっていくバイ。!」と、怒られた。

ある日、天神アクロスホールでラテンのペレス・プラード楽団を見に行った。ラストは、
 観客をステージに上げてマンボを踊るイキな演出。なんと、郵便局のTさん夫妻がステージで
 世界の楽団をバックに、名曲「ソラメンテ・ウナ・ベス」を軽やかなステップで楽しんでいた。 

ホラ吹きTちゃんは、退職サラリーマンでヒマ、,開店と同時に入ってきて、吹きまくっていたが
、「またか!」と耳タコのママやMちゃんからは、冷たく見捨てられていた>

入り口近くのカウンターを定位置にしているT工務店のオヤジふたり連れ。
 ママを相手に毒舌を吐き大口を叩く。が、内容は常識的で的確だった。

    つづく







 


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Posted by 横丁文化倶楽部 at 17:43│Comments(0)横丁角うち人生
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